私は今39歳(2024/7現在)で大学を卒業して15年以上サラリーマンとして働いている。
単純平坦な道のりではなかったがそれなりにこなせていた(はず)。
3回目の異動で景色が変わった。
実際に休職した経験とその時のお金事情についてご紹介したい。
今の仕事が辛い人、職場の人間関係で思い詰めている人に休職という選択肢について参考になれば嬉しい。
この記事でわかること
- 休職期間中のお金事情
- 休職するとどうなる?
休職中の金銭事情
時系列で収支を一覧化してみた。
※収入のとこはザックリの数字に補正してる。
私は2022年10月初旬〜2023年2月中旬に休職した。
2022/10 1ヶ月は会社の制度で傷病休暇を頂いて普通に基本給を受け取れたのは幸運だった。
2022/11-2023/2中旬 3ヶ月半が実際の休職期間。※この期間の傷病手当金を健保から給付を受け取る事ができて0収入でも生きられた。感謝。
ただ、注意しないといけない事もあったので私の経験が皆さんの一助となれば幸いです。
休職して気付いたこと・気をつけたいこと
- 休職期間中、傷病手当金として健康保険組合から給与の約6割を受け取れる
- 傷病手当金を受け取れるのは何ヶ月も先
- 処方された薬はちゃんと購入する
- 休職期間中でも社会保険料の支払いがある
- 通院費や診断書作成費、薬代が地味にかかる
休職期間中、傷病手当金として健康保険組合から給与の約6割を受け取れる
休職の事を調べるとだいたいでてくるのがこの傷病手当金。
仕事ができない期間の生活費はどうなるのか?という疑問の回答がこれ。
会社員なら毎月、社会保険料が自動的に天引きされるのだけれど、その保険の適用対象となるのがこの休職である。
もちろん休職の理由にもよるが、今回私のケースでは職場環境に慣れない適応障害によるメンタル不調。
後述するが病院のお医者さんに診断書を書いてもらって、傷病手当金申請を行えば健保から給与の約6割が受け取れる。
私の場合は、健保→会社経由で「給与」という名目で振り込まれた。
ただ、この6割というのが給与のどの部分かが分からなかった。
と、言う事で調べてみた。
基本給:290,000円 → 2/3は…193,333円
傷病手当金:2/24に入った600,000円のうち485,000円が傷病手当金。
翌年の4/25に入った650,000円のうち342,000円が傷病手当金。
合計:827,000円
ここから3回にわたって支払った社会保険料146,559円(11/30,12/27,1/29の金額の合計)を引くと680,441円。これが休職期間3.5ヶ月分の合計になるので、1ヶ月換算だと194,411円。
基本給の約6割(社会保険料含む)というのが正解となりそうだ。
※私の計算が間違ってなければ。
傷病手当金を受け取れるのは何ヶ月も先
表(黄色マーカー部分)を見ていただいても分かるとおり、傷病手当金(表上は健保給付金)が入ったのは2月の給与振込日。
11月から休職なので、約4ヶ月は無給。
これには理由があって、傷病手当金を受け取るには申請が必要で、お医者さんの診断書や通院や薬購入の領収書のコピーの提出が必須。どうしても振込が遅くなってしまう。
貯金はある程度は持っておかないときつい。家族持ちならなおさら。
幸い、私には貯蓄があったので生活はできた。
処方された薬はちゃんと購入する
これは当たり前なのだけれど注意が必要。
私は病院で睡眠薬と抗うつ剤を処方され、ドラッグストアで薬を購入していた。メンタル不調の時って通院するのもやっとで、更に薬まで買いに行く気力が無かったりするのだ。後日ドラッグストアに行こうとしたら、忘れてしまい、行こうとした頃には処方箋の期限が過ぎてしまったということが何度かあった。
傷病手当金の申請には病院の診断書と処方された薬の領収書が必要になるので忘れずに購入することが大事。
申請した後に健康保険組合の担当者から電話が来て、然るべき理由を述べて了承してもらわないといけなかった。(結果、受理されて手当金を受け取れた)
場合によっては(書類が揃わなければ)手当金が受け取れないので気をつけた方が良い。
あやうく収入0のままになるところだった。
休職期間中でも社会保険料の支払いがある
傷病手当金の振込が遅いのは前述の通りなのだけれど、それにさらに追い討ちをかけるように社会保険料の支払い請求が。
これには驚いた。普段働いていれば給与から天引きされていて気にならない社会保険料。
休職のタイミングではその保険を利用して受け取る側だから、払う必要は無いのだと思っていたのだがまさかの支払い催促の便り。
私の場合は会社から手紙が送られてきて、「会社側で立て替えておいたので、○月○日までに振り込んでください」という内容だった。
11月、12月、1月と毎月振り込んだから傷病手当金をもらう前で、貯蓄が無かったらけっこうしんどい。
通院費や診断書作成費、薬代が地味にかかる
休職期間中は定期的に通院する必要があった。1回の通院でまとめて1ヶ月も2ヶ月も薬を処方してくれたら良いのだけれど、私の場合は週1→2週間に1回というペースで病院に行かなければいけなかった。
地味にお金がかかる。
また、お医者さんへの傷病手当金申請書の記入依頼もお金がかかる。
私の場合は全部でだいたい43,000円くらいかかった。
傷病手当金支給を受けるまでの流れ
- 精神科を受診して、お医者さんに休職診断書を書いてもらう
- 会社に休職診断書と共に働けない旨を伝える
- 休職
- 1週間?2週間?に一度病院を受診
- 薬の処方
- 傷病手当金申請書にお医者さんに書いてもらう
- 会社に提出
- 会社から健康保険組合に提出
- 会社から給与という形で振り込まれる
ふるさと納税は計画的に
ん?何で急にふるさと納税の話?という気持ち分かる。ちょっと待って最後まで聞いて欲しい。
私が実際の休職期間は11月〜2月中旬。2022年のふるさと納税で寄付できる金額を先に見積もって実際に寄付まで済ませていた。
だけど11月から12月の2ヶ月間は給与所得は0。よって返礼品をもらえる納税額は当初の見積もりよりも低くなる。
そう。ただ単純に寄付しただけになってしまったのである。
その経験を活かして今は、給与所得を得た金額でふるさと納税するようにしている。
例:6月にふるさと納税する時は、6月までの給与所得合計で返礼品をもらえる納税額分を納税する。
《余談》休職は突然に
ここからは余談で何のためにもならない話なので参考まで。
大学を卒業してから16年目に休職を初めて経験した。
何度かの異動を経験しながらそれなりに上手く仕事をしていたつもり。
休職する約半年前に急遽異動の指令。
その時の職場でやり残したこともあったしそれなりの充実感もあった。今じゃない。
当時はそう思っていたが、サラリーマンの悲しい性。
上司に逆らえるはずもないし、辞める勇気もない。
異動。
基本、顧客先に常駐して働くのが私の会社のビジネススタイル。
仕事能力が高いのはもちろんのこと、平凡能力である私には、いかに自分の会社の人間と仲良くするか、顧客と仲良くできるか?が勝負どころであり生きる道だった。
この異動先がとんでもなく私に合わなかった。
業務内容が同じでも人間関係でものすごく気を擦り減らした。
コロナ禍も手伝い新しく関係を築くのも難しかった。
その現場は顧客だけでなく、色々な会社の人がいて、しかも自分の会社の人間も顧客先に出向していたりで自分の立場を確立するのが非常に困難な状態だった。要するに孤立してる感じがした。かと思えば、私と何の業務関係もない部下が10人以上増え、「コロナだ、コロナじゃない」、「業務の進捗に影響あるか、ないか」を都度、顧客に連絡しないといけないなど業務以外の所で疲弊していた。
まともに相談できる相手もいない状態で、かつ、業務もうまくこなせていない。
顧客の要望に対してうまく応えられていなかった。
そんな時間が積み重なっていき、私の中で限界を迎えた。
元気な今あの時に戻ったら上手くやれるだろうか?
人生では、若い頃もっと勉強しておけばよかった。学生の時もっと遊んでおけば良かった。あの時もっと… 。という “後悔” は誰しももっているだろう。
ただ、私の場合この休職する前に戻ったとしたら、ああしておけば良かったとかこうしておけば上手くいったよなとか、前向きな考えは出てこない。
打開策はだいたい潰される or 実現不可能
サラリーマンやってると正論だけではうまくいかないことくらい分かっているつもり。だから上司や顧客と上手く会話して業務をこなしていかないといけない。
休職してから上司やカウンセラーの人に言われたのは、次同じような状況になった時に潰れないようにするにはどうしたら良いかアイデアを持っておかないといけない。
もしくは相談できる相手を見つけておきなさい。と。
休職前の私はどうだったか?
- 自分が潰れない案を持っていなかったのか?
- 相談できる相手はいなかったのか?
答えは「否」である。
私の案はことごとく却下されたし、相談しても私の能力では実現不可能なことを要求されるだけで解決に至らなかった。
そう。単純に自分の能力不足。
相談できる上司は顧客先に出向してるから立場は顧客であって余計難しかった。
自分で抱え込むしかなかったのか?
復帰後
復帰先は、現場を変えて頂いた。
迷惑をかけてしまった方々に会わす顔が無い。
もちろん復帰は怖かった。
新しい現場でまた同じような壁にぶち当たるのではないか?
またメンタル不調を起こして会社や顧客に迷惑をかけてしまうのではないか?
そうは言っても給料をもらわないいことには生活できない。
妻も仕事をしているとは言え、子供もまだ小さい。
人生はまだまだ長い。
ゆっくりと頑張っていきたいと思う。
壁は乗り越えるだけが正解ではない
実はこのブログのテーマにしている「壁」について書きたくなったのがこの「乗り越えるべき」という強い固定観念というか強迫観念みたいなのが私の中にあって。
強くありつづけないといけないし、できないなら成長し続けてできるようにならないといけないし。
ずっとそんなものと戦ってきた人生だったと振り返ると思う。
だから、私はそんな自分のために、1個選択肢を増やしたいという気持ちでこのブログを書こうと思った。
時には「壁」から「逃げる」というのはどうだろうか?